目次
「双極性障害(躁うつ病)の波が激しく、仕事が長続きしない」 「躁状態の時のトラブルとうつ状態の寝たきりを繰り返しているが、年金はもらえるのか?」
双極性障害により、日常生活や就労に著しい制限が出ている場合、障害年金は生活を支える重要な柱となります。しかし、気分の波がある疾患だからこそ、「調子が良い時の状態」だけで判断されてしまい、申請に失敗してしまうケースも少なくありません。
本記事では、双極性障害で障害年金を受給するための具体的な要件と、審査を左右する特有の申請ポイントを社会保険労務士が分かりやすく解説します。
1. 障害年金を受給するための「3つの必須条件」
双極性障害で障害年金を申請するには、まず以下の3つの要件をすべて満たしている必要があります。
① 初診日要件
双極性障害(またはその前段階のうつ状態など)の症状で、初めて医師の診察を受けた日を特定できること。
※最初は「うつ病」や「不眠症」と診断されていた場合でも、そのために初めて受診した日が初診日となります。
② 保険料納付要件
初診日の前日において、それまでの年金保険料を一定以上(原則3分の2以上)納めていること。
※未納が多い場合でも、直近1年間に未納がなければ認められる特例(令和12年3月末まで)があります。
③ 障害状態要件
障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)、または現在の状態が国の定める障害等級に該当していること。
2. 双極性障害の「障害認定基準」と等級の目安
双極性障害の審査では、主に「日常生活にどれだけの支障があるか」が以下の基準で判断されます。
| 等級 | 状態の目安 | 対象となる年金 |
| 1級 | 日常生活のほぼすべてにおいて他人の介助が必要。重度のうつ状態で寝たきり、または激しい躁状態で常時監視が必要な状態。 | 基礎・厚生年金 |
| 2級 | 日常生活に著しい制限がある。家族等の助けなしでは自立した生活が難しく、働くことが困難な状態。 | 基礎・厚生年金 |
| 3級 | 労働に著しい制限がある。職種が限定されたり、職場で大きな配慮が必要な状態。 | 厚生年金のみ |
審査で重視される「日常生活能力の7項目」
診断書では、以下の項目が「自力で、継続的に、安全にできるか」が評価されます。
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物(※躁状態での浪費や借金も考慮されます)
- 通院と服薬
- 他人とのコミュニケーション(※躁状態での対人トラブルも考慮されます)
- 危機対応・避難
- 社会性(公共施設利用など)
3. 社労士が教える「申請を成功させるためのポイント」
双極性障害の申請は、症状の「波」をいかに正確に書類へ落とし込むかが最大の鍵となります。
ポイント① 診察時の「伝え方」を工夫する(躁状態に注意)
躁状態のときは本人が「調子が良い、何でもできる」と思い込んでいるため、医師に対して元気な姿を見せてしまいがちです。しかし実際には、過剰な買い物や不眠不休の活動で生活が破綻していることがあります。「うつ状態の時の何もできない辛さ」だけでなく、「躁状態の時に起きている生活上のトラブル」もメモにまとめて医師に渡すことが非常に有効です。
ポイント② 「働きながら」の申請は就労の不安定さを明記する
双極性障害の方は「躁状態で就職し、うつ状態で退職する」というサイクルを繰り返す傾向があります。「今は働けている」という一瞬を切り取るのではなく、「過去に何度も休職や退職を繰り返している」「職場で特別な配慮(業務軽減など)を受けている」という事実を、診断書や申立書に具体的に記載する必要があります。
ポイント③ 「病歴・就労状況等申立書」での一貫性
自分で作成する申立書は、気分の波(エピソード)を具体的に書くチャンスです。「〇年〇月〜〇月までは躁状態で借金をしてしまった。その後激しいうつ転落があり、半年間寝たきりだった」など、波の激しさとそれに伴う生活の困難さを時系列で整理しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 「うつ病」から「双極性障害」に診断が変わりました。初診日はいつになりますか?
A. 最初に「うつ病」の症状で受診した日が初診日となります。
途中で診断名が変わっても、症状に連続性がある場合は最初の受診日が初診日として扱われます。
Q. 症状が落ち着いている「寛解期」でも申請できますか?
A. はい、可能です。
双極性障害は周期性がある疾患ですので、一時的な気分の安定だけで不支給になるわけではありません。1年を通した平均的な「生活のしづらさ」で判断されます。
Q. 家族が代理で相談しても大丈夫ですか?
A. もちろんです。
ご本人がうつ状態で動けない時や、逆に躁状態で「年金なんていらない」と言っている時など、ご家族からのご相談は非常に多いです。まずは状況をお聞かせください。
障害年金の申請をお考えの方へ
双極性障害の申請は、目に見えない「生活の苦しさ」や「気分の波による社会的ダメージ」を言葉にして証明しなければならないため、ご本人やご家族だけでは大きな負担となります。
当センターでは、累計多数の受給実績を持つ社労士が、初診日の特定から診断書のチェック、申立書の作成まで全面的にサポートいたします。
【初回相談無料】まずは受給の可能性があるかどうか、無料で診断いたします。お電話またはメールでお気軽にお問い合わせください。
執筆者プロフィール

最新の投稿
- 6月 10, 2026保護中: 傷病手当金がもうすぐ切れる方へ|障害年金への切り替えタイミングと申請のポイントを社労士が解説
- 3月 23, 2026発達障害で障害年金をもらうための基準は?受給条件・申請のポイントを社労士が解説
- 3月 10, 2026双極性障害で障害年金をもらうための基準は?受給条件・申請のポイントを社労士が解説
- 1月 30, 2026精神疾患で障害年金はもらえるのか?受給要件と申請のポイントを社労士が解説




